| コモディティ・金融情報専門サイト asumiru.com |
大起証券FX週報
ドル/円 ユーロ/円 豪ドル/円 エマージング通貨(南アランド/円・トルコリラ/円)
※全レポートおよびファイルの無断転載を固く禁じます。
| ドル/円相場 |
| 2025/11/17(月) |
| 【米ドル】 米金融政策の不透明感から売買交錯が続く |
| 米ドル/円相場は、1ドル=155円水準まで値上がりする展開になった。米政府機関閉鎖が解消されたが、低調な経済指標でも米連邦準備制度理事会(FRB)が追加利下げを見送る可能性から、米金利上昇・ドル高が促されている。複数の米金融当局者が、インフレ圧力の強さ、米政府機関閉鎖で十分なデータを収集できていないため、追加利下げに慎重な発言を行っている。一方、9月時点の当局者の想定では年内利下げ回数は3回であり、その時と比べてインフレ環境の悪化・労働市場の改善が進んでいるとは言い難い。このため、12月追加利下げの有無を巡ってマーケットの見方は五分五分との評価に傾いている。一方、利下げ期待の後退は株価を不安定化させており、ドル買いと同時に円買い圧力も発生させている。結果的に、ドル/円相場は155円台を維持するまでの勢いはなかった。 今週も底固いが不安定な値動きが続く見通し。米連邦公開市場委員会(FOMC)まで1ヵ月を切っているが、マーケットは明確な見通しを描けていない。米経済指標の発表が再開されるため、その結果に揺れ動く展開になろう。特に20日には9月分の雇用統計が発表される。過去の統計になるが、ここで労働市場の減速懸念が強化されると、改めて利下げ期待からドルの上値が重くなりやすい。しかし、その際には株価反発がドル/円相場を支援する見通しであり、上下どちらの方向にも一方的な展開にはなりづらい。高市政権の積極財政に対する警戒感もあって円が売られやすい環境が続くが、155円台では当局から円安けん制の動きも強まりやすい。現行価格水準で売買が交錯する見通し。 サイコロジカルは、前週の8勝4敗から7勝5敗に。14日RSIは63.71。 今後1週間の予想レンジは、153.00〜155.50円。 |
| ユーロ/円相場 |
| 2025/11/18(火) |
| 【ユーロ】 ユーロ圏経済の底固さが下値支える、180円台定着へ |
| ユーロ/円相場は、1ユーロ=180円の節目に到達する展開になった。不安定なリスク投資環境になったが、ユーロ/円相場は底固さを維持している。欧州中央銀行(ECB)は当面の利下げ対応を終えた模様であり、ユーロ圏の金利下振れリスクの後退が、ユーロを下支えしている。実体経済に対する信頼感が回復傾向にあり、当面は追加利下げの可能性を想定する必要性が乏しい状態にある。一方、円は主要通貨に対して売られる展開が続いている。高市政権の積極財政に対する警戒感が根強く、主要通貨に対する円売り傾向が維持されている。特に何か目新しい材料が浮上した訳ではないが、ドル/円相場を上回る高パフォーマンスになった。 ユーロは底固さを維持しよう。19日の10月消費者物価指数がイベントリスクになるが、ECBが政策調整を迫られるリスクは限定される。21日に発表される11月PMIにも注意が必要だが、高水準で高止まりが続く可能性が高い。米金融政策見通しが不確実性を増していることに注意が必要だが、ユーロ/円相場はこのまま180円台定着を打診する見通し。特に高市政権の経済政策が徐々に明らかになる中、財政懸念が強まると日本の金利上昇圧力と連動して円が一段と売られやすくなる。ただし、世界的に株価は不安定化している。リスクオフ傾向が一段と強まると、主に円高要因で下振れするリスクには注意が求められる。 サイコロジカルは、前週の6勝6敗から8勝4敗に。14日RSIは67.32。 今後1週間の予想レンジは、178.00〜182.00円。 |
| 豪ドル/円相場 |
| 2025/11/19(水) |
| 【豪ドル】 豪利下げ一服、底固さを維持する |
| 豪ドル/円相場は、1豪ドル=100〜102円のレンジで売買が交錯した。11月13日に101.76円まで値上がりして今年最高値を更新した後、調整売りで100円台まで軟化している。豪中央銀行の当面の利下げ対応は一服したとの見方が、豪ドル相場を下支えしている。まだ、利下げサイクルが終了したのかは不透明だが、次の政策調整は急がれない見通し。10月号雇用統計では、雇用者数は4.22万人増であり、前月の1.28万人増から大きく上振れしている。失業率が4.5%から4.3%まで大きく低下したことも、追加利下げ観測の後退につながり、豪ドル相場にはポジティブ。しかし、リスクの地合が不安定化すると、資源国通貨に対する売り圧力が強まり、豪ドル/円相場は上げ一服となった。円安環境が続いていることで大きな値下がりにはなっていないが、持高調整の動きが上値を抑えた。 豪利下げ対応に一服感がみられる中、豪ドル相場の下落余地は限定される。4月に見られたようなパニック的なリスクオフ環境に発展しないのであれば、このまま押し目買い優勢の地合が維持されよう。11月26日に10月消費者物価指数が発表されることがイベントリスクになるが、豪金融政策見通しに対する影響は限定される。特に米ドル/円相場がこのまま堅調地合を維持するのであれば、豪ドル/円相場も99〜100円水準を下値目途に、高値更新を窺う展開が続く見通し。上値目途は102.00円までみておきたい。 サイコロジカルは、前週の6勝6敗から5勝7敗に。14日RSIは56.12。 今後1週間の予想レンジは、99.00〜102.00円。 |
| エマージング通貨相場(南アランド/円・トルコリラ/円・メキシコペソ/円) |
| 2025/11/20(木) |
| 【南アランド】 円安環境だと底固い |
| 南アフリカランドは、1ランド=9.1円台まで値上がりし、2018年2月以来の高値を更新した。不安定なリスク投資環境が対ドルでランドの上値を抑えたが、円安環境が続いていることでランド/円相場は底固く推移している。リスクオフのランド売りよりも、円安によるランド買いの勢い勢いが優勢だった。10月消費者物価指数は前年比3.4%上昇となり、前月の3.6%上昇から上振れした。S&Pは南アフリカの長期格付けを「BBマイナス」から「BB」まで引き上げた。格上げは約20年ぶりであり、成長・財政見通しの改善、電力問題の緩和などの影響が指摘されている。ただし、ランド相場に対する影響は限定的だった。 リスク投資の地合は不安定だが、ランド/円相場は底固さが目立つ。円安圧力の強さがランド/円相場を支援している。このまま円安環境が続くと、ランド/円相場も9.2円台乗せが打診される。目先はランド独自の大きなイベントは予定されておらず、G20は為替相場に対する影響は限定されよう。円安環境の継続の有無を見ながらの相場展開が続きやすい。円安が一服、極端なリスクオフ圧力がみられると、下振れリスクが高まる。 今後1週間の予想レンジ 8.95〜9.30円/ランド 過去1週間のレンジ 8.93〜9.17円/ランド |
| 【トルコリラ】 円安が続くと底固い展開に |
| トルコリラは、1リラ=3.7円台まで値上がりし、5月以来の高値を更新した。対ドルでは一貫して値下がりが続いているが、対円では底固く推移した。トルコの政治リスクの高さから対ドルでは一貫して売り優勢の展開になっている。リラは投資対象としての適格性が疑問視されている。ただし、円安環境が続いていることで、リラ/円相場は底固く推移している。リラよりも円が相対的に弱い地合になっており、対ドルと対円で正反対の値動きになっている。 円相場の動向が重視されており、急激な円安環境が続いている間は、上振れリスクを抱える。ドル/円相場の上昇には過熱感も強くなっているが、リラよりも円の方が相対的に弱い地合が続いている間は、このまま3.7円台定着から一段高が打診されよう。ただし、リラ相場そのものに何か買い材料が浮上している訳ではなく、円安圧力が一服すると、リラ/円相場も上げ一服後の調整売りが優勢の展開に変わる。円安が持続するのか、調整が入るのか、ドル/円相場と概ね連動した値動きが想定される。 今後1週間の予想レンジ 3.60〜3.80円/リラ 過去1週間のレンジ 3.61〜3.73円/リラ |
| 【メキシコペソ】 年初来高値更新、円安環境の支援続くか |
| メキシコペソは、1ペソ=8.6円水準まで値上がりし、昨年7月以来の高堰を更新した。対ドルではほぼ横ばいの展開になった。円安環境を背景にペソ/円相場は 上値追いの展開になった。8.5円の節目を上抜いたこともあり、チャート主導の買い圧力も強まった。メキシコ経済に関しては、特に目新しい動きなどは報告されていない。メキシコ金融政策見通しに大きな修正を迫るような動きは見られなかった。世界的に不安定化する株価動向がペソ相場にはネガティブだが、大きく値を崩していくような動きは見られなかった。このため、対ドルではほぼ横ばいだったが、円安要因でペソ/円相場は上値追いの展開になった。 円安傾向が続く中、極端なリスクオフ化がみられない場合には底固く推移しやすい。このまま8.5円が抵抗線から支持から抵抗線に変わると、上値抵抗が8.8円水準まで切り上がる。11月21日に7〜9月期国内総生産(GDP)、25日に9月小売売上高などが発表されるが、ペソ/円相場に対する影響は限定されやすい。中央銀行は年明け後は利下げ対応を一服させる可能性が高く、残された利下げ余地は限定される。ただし、円安修正の動きが強まる、リスク投資の地合が著しく悪化するといった動きがみられると、下振れリスクが高まる。 今後1週間の予想レンジ 8.35〜8.80円/ペソ 過去1週間のレンジ 8.34〜8.59円/ペソ |

| ※ドル/円は月曜日、ユーロ/円は火曜日、豪ドル/円は水曜日、エマージング通貨は木曜日に更新予定。 休日の際は、更新をお休み致します。 ※PDF版の閲覧にはAdobe Readerのインストールが必要です。 ※レポート内容に関してのご質問等にはお答えできませんのでご了承ください。 ※全レポートおよびファイルの無断転載を固く禁じます。 |